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講演 「情報公開に対応した電子文書管理システム」 開催報告


  11月4日,(社)日本経営協会主催のセミナーにおいて「情報公開に対応した電子文書管理システム」というテーマで,西村健が講演し、主催者実施のアンケートにおける評価では、大変好評を得たということです。

《講演要旨》
 自治体の電子文書管理システム構築は、その多くが「情報公開」をきっかけとして推進されつつある。ところが、そのシステム化事例をみると、「情報公開」の本質的趣旨を具現化するものとはなっていない。たんなる従来型の「公文書管理システム」に止まっている。この理由は、主として「総合的な文書管理システム」を標榜する国のシステムモデル(旧来のレコード・マネジメント・システム(RMS))をそのままなぞっている、ということによるものと思われる。
 そもそも、情報公開の根拠たる行政改革とは、これまでの中央集権型国家構造から、情報化社会にふさわしい「分権型国家構造」への転換を図ることが目指されたものだ。それには、地域社会において、いわゆる「自立、分散、ネットワーク協調」のコンセプトを実現する主体的な活動を縦横に展開できることが前提となる。このため、地域への権限委譲と住民の主体的参画(地域の協働性)を担保する手段の中核として、情報公開=アカウンタビリティ(すべての地域の公共活動について説明性を与える)が位置付けられた、という理解が肝要だ。
 このような説明性を中核に据えた分権型の「行革マネジメント転換」は、次の二本柱で構成される必要がある。
 第一に、住民主体の地域社会づくり、すなわち主体的なコラボレーションを主軸とする地域のガバナビリティ向上方策として、e‐デモクラシーの推進を図ること。第二に、知識創発型社会における価値生産システムへの転換方策として、ナレッジ・マネジメントの推進を図ること。
 従って、電子自治体とは、旧来の業務処理をシステム化することから離陸して、このような「行革マネジメント転換」を、新たな情報技術によって「情報武装する」という意義=協働活動の支援、をなすものである。知的な生産活動たる協働活動のベースとなるのは、情報・知識の収集及び編集利活用による情報共有化と業務改革であり、情報・知識を縦横に編集利活用できる状況を、いかに実現していくかが問われている。
 それゆえ、電子自治体では、情報・知識を柔軟に扱える電子文書にかかるシステム化がポイントとなる。
 ここでの電子文書とは、「情報・知識を柔軟に扱える」ことが求められているので、国際標準言語XMLによるものをさす。XMLは、特定アプリケーションに依存しないで、概念を自己記述できるメタ・データによる構造化言語であり、知識を様々に関係付けることができる。
 情報技術の沿革をたどってみると、その開発コンセプトは、当初から「知識(ドキュメントの内容)を様々に関係付ける技術を造り出そう」というものであった。そしてインターネットとは、無限に分散して存在する知識資源をきわめて容易に配布、集約できる装置のことであり、知識を結び付ける実際の機能をプラットフォームとして実現した、という意義が大きいであろう。
 知識を様々に関係付け、縦横に編集利活用することを目指した、インターネット親和のXML電子文書処理システムを「ドキュメント・マネジメント・システム(DMS)」と呼んでいる。協働を支援し知的な生産性を高めるために、それぞれの活動現場において、地域の多様な諸活動にかかるドキュメント・コンテンツをこのシステムに実装していく努力を積み重ねる必要がある。このような電子文書による情報・知識資源の利活用の仕組みづくりを鋭意推進していくことが、自治体情報政策の喫緊の課題である。

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