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「情報編集業としてのXMLビジネスに取り組む」



日本印刷新聞 2003/09/17(水曜日) 掲載


本来的な強みの発揮を目指せ

情報編集業としての印刷業
 変革の世にあって、マネジメント論の中心課題は、それぞれの組織が本来的に保有する機能、能力の強みを見定め、シェイプアップし、新たな社会の状況の中で充分に発揮できること、とされています。それぞれの組織固有の本来的な能力を、このように新たな強みとして発揮させることは、「コア・コンピタンス経営」と呼ばれています。
 印刷業における「コア・コンピタンス」とは、長年にわたり文書、図、写真など多様なコンテンツを、読み取りやすい姿で印刷媒体へ表出するという行為を通じて蓄積・獲得されてきた「コンテンツ編集処理能力」にある、といえましょう。
 この「コンテンツ編集処理能力」、つまり、コンテンツを多様な利用場面に合わせ、複雑な編集処理を施し、もって利用者に情報・知識の理解伝達を容易にする、という表現の最適化にかかる極めてフレキシブルなコンテンツの編集処理能力こそ、今日以後の情報化社会の中で真に求められている新たな「生産的能力」ということができます。
 ただし、「コンテンツ編集処理能力」は、これまで紙媒体に限定されて発揮されてきました。情報化社会とは、近代社会の成熟につれて、人間の諸活動が飛躍的に活発化し、価値生成のベースが「モノ」から、文字通り「情報・知識」へとシフトしていく社会のことです。そこで、紙媒体に付着していた情報・知識を、新たなIT(情報技術)に媒介させて、時間的・空間的な制約を一気に解き放とうとする社会への変革が加速しているわけです。
 今日以後において印刷業が「コンテンツ編集処理能力」というコア・コンピタンスを発揮させ、新たなビジネスを展開するには、情報化社会の特質を踏まえたビジネス・モデルを再構築する必要があるわけです。
 このことについて考えてみましょう。

免疫力発揮のしくみを例にとると・・
 「新たな社会状況の特質を踏まえて本来的な強みで能力発揮を図る」ということを考えるについて、大変参考になる最近話題の本があります。免疫学の世界的権威者の安保徹先生が著した「免疫革命」です。趣旨を一言に要約すれば、

 「ガンを始めとする現代病の治療法は、対症療法に偏りすぎており、各人が本来的に保有している、病気に対抗する免疫の力を力強く発揮させることから違背している。つまり、病気と戦う「免疫力」を高めることが諸病を克服する根本の原理であるのに、表面的な症状、例えば、発現しているガンを物理的に縮減させるために、
* 手術による切除
* 抗ガン剤治療
* 放射線治療
という、いわゆる三大治療法によって、直接ガンを叩こうとする点だけに関心が偏在している。その結果、免疫力を大幅に損ない、治るものも治らないことに至らしめている。」

ということです。
 では、正しい治療の方法とは、

 「病気の本質的な発現メカニズムを踏まえ、各人が本来的に保有している、病気に対抗する免疫の力を力強く発揮させること」

となります。
一見して、アタリマエのことが述べられているように思われるかもしれませんが、この治療法を理解するには、二つの事柄が前提となります。
 実は、ごく最近に至るまで「病気の本質的な発現メカニズム」がよくわからなかった、ということが一つ。その上で、もう一つ、「社会と生活環境の変化につれ、人々の体質が大きく変質しており、免疫力の発現の仕方が違ってきている」ということです。
 つまり、「各人が本来的に保有している、病気に対抗する免疫の力を力強く発揮させる」には、その「病気の本質的な発現メカニズム」が明らかにされるとともに、今日を生きている当の人の体において、現実にどのような免疫系の働きが活動しているか、について、ちゃんとした理解を持っている必要がある、ということになります。
 言い換えれば、次のように要約できます。

 「一昔以前の人々の体質をモデルとした治療法では、免疫力を充分に発揮させることはできない」

関係性を繋ぐビジネス・モデル
 以上、免疫学の最新の考え方を例にとって見てきましたように、今日では本格的な情報化社会への進入に伴い、「人と組織と社会のあり方」が従来とは異なった地点に至っています。
 そこにおいて、印刷業が「コンテンツ編集処理能力」というコア・コンピタンスを発揮させ、新たなビジネスを展開するには、情報化社会の特質を踏まえたビジネス・モデルへの転換が不可避です。それは、従来とは全く異なるモデルです。
 情報化社会の特質として、人々の活動が飛躍的に活発化するという現象を指摘しましたが、実は、この現象面を掘り下げてみると、ひとりひとりが「より主体性(個性)を発揮したい!」という「主体的活動原理」の存在を指摘することができます。「顧客」が「個客」と表現されるゆえんです。
 主体的「個」どうしが、ネットワークで結ばれて、新たな価値を生み出す。このことをコラボレーション(協働)と表現しています。新たな生産の原理とは、個性ある人々が多様な関係を結び、コラボレーション(協働)を繰りひろげる、という図式がベースとなります。
従って、生産的活動とは、「既存のセグメント化された執行処理業務の請負」の図式から離れ、「ネットワーク型に新たな関係性を構築する」なかから営まれるため、様々な「関係性を繋ぐ仕掛け」が不可欠とされます。
 「関係性を繋ぐ仕掛け」とは、異質なジャンル、複数の専門分野に跨ることから、まず第一に、多様な専門知識をお互いに共有できる「情報共有化」の仕掛けです。そして第二に、複数の専門分野間に生じる溝を橋渡しし、理解を促すための「仲介、助力あるいは支援、育成」といった仕掛けが大変に重要となります。すべての知識に通じたスーパーマンなど居るわけもありませんから。

XMLの「仲介・支援機能」を発揮させる
 今日のIT(情報技術)とは、こうした社会の生産原理の変化に対応して、新たに「関係性を繋ぐ仕掛け」を提供するために登場しているものであります。インターネット及びその言語たるXMLとは、まさに「関係性を繋ぐ仕掛け」そのものといえましょう。
(ITの意義にかんしては、7月30日付けの本紙に掲載された「XMLをツールに情報化支援」を参照)
 ところが、このような本質的意義を持つITについて、旧来の社会原理に基づく相変わらずな見方が根強く存在し、誤解を広めています。それは「きまったことを処理する速さやパワーを賛美する」態度です。例えば、インターネットについて「きまったことを表示し、誰でも、いつでも、素早く読み取る装置」という側面を主とする見方です。
 ここからは、本来のXMLの利活用場面は、けっして浮かび上がってきません。
 これが「XMLビジネスが見えない」と言われている事情です。
 正しいITの捉え方とは、多彩な人々の間を仲介し、理解を助け、支援する機能として「情報・知識コンテンツ」を縦横に編集利活用する役割、との認識が基本です。
 「仲介、支援する機能」を中核としたビジネス・モデルの上で、コンテンツ編集処理にかかる高度なノウハウを発揮させることにより、はじめて情報化社会に対応したビジネスが成立するのです。
 それには、前提条件があります。知的な仲介者、支援者として、客とともに考える存在になることが必要です。これまで長い間、客のたんなる請負(下請け)や、たんなる物売りという位置づけにありました。近年では、そうした受身の位置から「提案営業」という積極的な立場へ転換することが勧められていますが、ここで求められているのは、もっと主体的にコラボレーション(協働)のパートナーとしての役割を発揮する、ということです。

 では、「主体的なパートナーとしての役割を発揮する」ニュー・ビジネスのイメージとは、どのようなことか。以下に具体的な事例を見ていくこととしますが、それは未だ顕在化したビジネス需要とはなっておりません。しかし潜在需要は無限と言ってよいでしょう。すべては自ら掘り起こす必要があります。しかし過当な競合もなく、開拓の可能性は広く存在しているはずです。

実践編

顧客の視点で考える
 社会構造の変化、ITの推進、電子のメディアの台頭、このような変化の中で、顧客は多くの課題を抱えています。その中心は印刷周辺から考える業務効率化・コストダウンです。
 例えば自治体など、債務超過の中で根本的な予算削減が急務です。ある県では、印刷業界に対し、納品される印刷物への単価・数量表示義務を提唱してきました。これに対して従来の印刷業界であれば、自治体の一方的な安値誘導と反対運動を展開してきたのでしょうが、ここで考えてみてください。自治体は印刷業界いじめを目指しているのでしょうか。
 自治体は総予算の中の印刷コスト割合に注目しました。そこで印刷コスト削減が経営改善につながると気が付いたのです。つまり印刷コストの再検証を取り組むことを目指しているわけです。
 しかし印刷コストといっても、印刷業の受注コストがそのすべてではありません。つまり「もっと受注額が下がっても印刷業は我慢!」と言いたいのではありません。顧客の最大の課題は、印刷物の生まれる過程=顧客自身の業務フローとそれに関わるドキュメント管理のあり方です。この顧客自身がまだ気付いていないテーマを印刷業から明確化し、顧客と共に、顧客の新たな業務フロー・ドキュメントワークを考えることを、いまこそ提案すべきです。その中で重要となるテーマが、顧客のドキュメントのあり方を考える技術=XMLです。

XMLとは何の技術?
 XMLとは印刷技術ではありません。ドキュメントのあり方とその管理体系を示す技術がXMLです。ではなぜ印刷以外の技術を印刷業が追いかけなければならないのでしょう。
 印刷業はこれまで、DTPやCTP、FMスクリーンやカラーマネジメントなど、印刷制作に関わる技術のみを追求してきました。そしてその結果が新たなビジネス開拓につながってきました。しかし印刷技術は完成の域に達し、それのみでは顧客満足につながりません。
 そこで情報編集力をもった印刷会社が新たに追求すべきテーマとして、顧客のドキュメントのあり方、そのドキュメントを印刷等のメディアへ出力し、利活用することを考える印刷業と顧客との接点技術としてのXMLが印刷業のテーマとなったのです。つまりこれは、グーテンベルクが活版印刷を発明したことと同レベルの変革であり、XMLが新生印刷業の扉を示してくれたことに他なりません。
 ではどんな業務変革の可能性があるのか、自治体広報業務をテーマとして検証してみましょう。

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 市民に対して市政に関わるお知らせ情報を発信する媒体、それが自治体広報です。広報セクションが自治体内部のあらゆるセクションから情報を取りまとめ、編集する広報には、様々な課題が潜んでいます。
 1つ目は、原稿を取りまとめる上での課題です。ある自治体の広報制作ルールを拝見しました。そこには現課からの入稿ルールが示されていましたが、手書きでも、Wordや一太郎などのワープロ文書でも、何でもOKとなっていました。またタイトルや担当セクション名など、原稿の文書構造ルールも一応規定されていましたが、実態はバラバラで、ルールは守られていませんでした。
 そのため、広報編集担当者は、手書き原稿の文字入力、異なるワープロ文書の統合化、そしてバラバラの入力ルールの統一など、取りまとめ段階で多くの時間を費やしています。これは印刷物の広報だけを制作している時代には許されたことでしょう。(取りまとめは手間がかかっても、後は印刷会社に任せるだけで、印刷物は完成し、業務は完了)
 しかし時代はWebによる広報情報配信など、印刷以外のメディア発信のフローまで考えなくてはならず、標準化と効率化による原稿取りまとめが不可欠な状況にあるのです。
 2つ目は、広報作成のみを単独で考えている点です。例えばこんなことが発生します。「今年は市制50周年、今年度は記念として広報年鑑を発行しよう!」この場合にどのような原稿まとめをするのでしょう。各月の広報は印刷版下を作成することを目標に取りまとめられています。そこで組版済みのデータは存在しても、広報の素原稿データは存在していません。しかも1年分の広報情報を時系列で並べ替える、分野別に分類する、などの対応が必要な年鑑編集において、各月の広報版下では生かすこともできません。
 データベースが存在しない以上、自治体の実態は、過去の広報の個別記事を切り抜き、分類整理、それを大判の紙に貼り付け、文字の再入力から印刷会社にオーダーしています。再入力とは、文字校正という作業が付き纏います。このように他の印刷物とのリンクが考えられていない体制に多くの広報作成現場はあり、総合的視点でのコストダウンを考えるとこのままでは疑問が生まれます。
 3つ目は、出力メディア毎に制作進行管理がなされている点です。ある自治体では、当時の発注ルールにおいて、広報の印刷物とWebによる広報情報配信業務が、別々の業者に発注されていました。(印刷は印刷業、Webはシステム業という業者の枠組)
 しかもそれはメディア制作・運用に関わる管理から分かれるのではなく、原稿を取りまとめる段階から、別業者に割り振られていました。つまり印刷業者、Web業者がともに、まったく同じ原稿取りまとめ作業を別々に取り組むという無駄が生まれていたのです。
 原稿取りまとめのコンテンツ作業と各メディアの制作進捗管理作業を分けて管理するのであれば意味はあります。しかし従来の制作フローの考え方をそのまま踏襲してしまうと、このような無駄が発生するのです。
 ではどうすれば、課題が解決できるのでしょう。

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 まずは原稿を取りまとめる工程です。これまでは現課の入稿形態がバラバラなことが課題でした。この解決のため、庁内LAN上に全職員が利用可能な広報情報入力テンプレートを提供、これによる入稿をルール化します。そして広報情報データベースを直結させ、編集担当者の取りまとめ作業を全廃します。(編集担当者はデータベースへの入稿状況のみをチェックすればOK)
 またデータベースには、その後の分類・並べ替えに必要となるキー(セクション・分野・日付など)が記事毎に登録され、あらゆる利活用を想定した設計とします。そしてデータベースからの印刷出力は、自動組版の仕組みを事前に構築することで作業効率化を実現します。
 またこんなことも考えられます。印刷物毎に原稿作成が求められた時代には考えられないことですが、広報に掲載される情報を素として生まれる別の印刷物(博物館イベントカレンダーや幼児予防接種月間予定表など)を原稿作成なしでデータベースから自動組版出力もできるのです。1点1点は小さなコストダウンかもしれませんが、全庁的に考えれば、多くの印刷物がこのターゲットに含まれ、そのコストダウン効果は大きなものとなります。
 Webも広報情報データベースとの連動によって、自動発信が可能となります。原稿の取りまとめ作業がシステム上へ置換でき、人手間が発生しないことから、毎日新たに追加更新される広報情報が、自動的にWeb上で発信できる環境も構築可能です。
 これにより、即時性のWeb、一覧性の印刷というメディア双方の特性に応じた活用展開が簡単に実現できるわけです。そしてもちろん双方向性のWeb特性を考慮すれば、自治体から市民への情報発信のみならず、e-デモクラシーとしての市民から自治体に対する生の声の発信としての電子会議室と広報情報データベースとのリンクも可能です。あらゆる自治体業務テーマに関して、双方向での情報のやり取りがデータベースの中に収録され、誰もがその過程を検証することができる「開かれた行政」の実現に発展していくのです。

XMLビジネスを取り組む上での前提
 ではこのようなXMLビジネスを印刷業として、どのように捉えるべきなのでしょう。まずは「既存の印刷ビジネスとはスタンスが異なる」という点です。
 印刷業界は設備や技術導入に仕事がついてくる形でビジネスが成り立ってきました。しかし「XML対応できますよ」という看板だけでは顧客は反応を示しません。(反応があるのは原価割れ覚悟のXMLデータ入力ビジネス。しかしこれが目標ではありません。)
 XMLとは前述のとおり、顧客とのコンテンツ連携を可能とする環境を生み出します。つまり顧客との連携によるビジネスモデルを、パートナーである印刷業が導き出していくのです。企画し続けるリスクはありますが、顧客と共にビジネス成長を目指していくのです。
 次に「IT系企業が目指すXMLビジネスとは異なる」という点です。Microsoft社のTVCFの中でXMLという言葉が聞こえます。これは電子商取引におけるデータ交換において、XMLを中間ファイルとすれば効率的であることを提唱するものです。これが印刷業の目指すXMLビジネステーマでしょうか。
 印刷業が目指すべきXMLテーマは、「ドキュメントデータベース〜情報編集〜メディア出力」の流れです。データ交換のためのシステムで勝負するのではなく、データ利用現場で様々な編集に対応でき、オンデマンド情報発信まで対応できる情報編集+情報処理力で印刷業は勝負すべきです。
 そして「顧客は実は気が付いていない」という点です。顧客は「印刷業とは紙だけに関わる業」という認識を持っています。そこで自ら提案していかなければ、XMLドキュメントマネジメントに関わるパートナーであると貴社を認識してくれません。また「印刷周辺から業務改革につながるドキュメントマネジメントの答えが見つかる」と顧客は気付いていません。キーワードは「情報編集」です。印刷物も顧客業務における情報編集結果の1つですが、それに留まらず、顧客業務における情報入力(入力テンプレートなど)+業務現場での情報利活用(業務場面に応じたスタイルシート)+印刷(オンデマンド印刷まで含む)+Web(一覧から個別対応まで)を総合的に考えることが、顧客の業務改革につながるのです。

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印刷周辺の顧客業務を探ってみよう
 図は介護サービス業者における作業履歴データベースを軸とした業務展開を示しています。

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 この中で従来印刷会社が関わっていたのは、○で示す「事例対処マニュアル」の範囲でした。しかも顧客が原稿をまとめ上げ、それを印刷するのみの接点でした。
 しかしこの事例マニュアルが生まれる背景を少し考えるだけで、様々な業務が関わってくるのです。作業者の日報入力、介護対象者の属性入力、作業者や介護対象者別のレポート・カルテ作成、そして自治体等の外部への介護事例レポート作成など、データベースからこれだけのものを生み出すことができます。
 印刷業が何も提案しなければ、顧客はこれらを別々に原稿作成し、そのリンクも人手間で管理、常にこれらのコンテンツ整理や作成に追いまくられる日々を過ごすしかありません。その中で新たなビジネスメニューを生み出す、1人1人の介護対象者に親身な応対をするといっても、それには限界があります。
 情報編集のプロとして、これら顧客の業務を分析し、本質的な課題解決ができる新たなドキュメントワークフローをいかに描き出すのか?これが印刷業の新たな役割になるのです。

顧客のどんなSOSに対応するのか?
 顧客が気付かない潜在ニーズへのビジネスとは、営業する立場として雲を掴む話に聞こえることでしょう。しかし顧客は必ず貴社にSOSを発信しています。それをいかに把握し、応えていくのかがポイントとなります。
 図を参照ください。

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このSOSとは印刷物を中間として前後2方向に大別することができます。1つは作成準備段階のSOSです。
 「原稿作成、取りまとめ作業が楽にできないか?」「同じ内容でもなぜ印刷物毎に原稿作成しなければならないのか?」「Webと印刷の原稿をなぜ別々にまとめなければならないのか?」「業務システムの中に原稿データが眠っているのに、なぜ活用できないのか?」
 これらは「原稿作成は顧客の責任!印刷業はその指示で印刷するのみ!」というこれまでの時代の考え方から生まれるギャップです。顧客の総合的なコストダウンを提供してあげるのであれば、コンテンツ編集工程の効率化を顧客と共に考えることにより、結果として無理な印刷料金値下げも自ら回避できるわけです。
 もう1つは利活用段階のSOSです。例えば、情報更新が頻繁な印刷物=バインダー製本・加除式差替方式というのが、印刷メディアのみの時代のルールでした。しかしネットワーク環境が浸透した現在においても、この方式を踏襲しなければならないのでしょうか。
 なぜ加除式なのか、それは情報更新にいち早く対応するための印刷時代の知恵です。しかし印刷料金は確かに安価となるでしょうが、顧客の課題は差替えを行う手間・コストです。頻繁な情報更新に対応するためには、頻繁な差替え作業が必要となります。しかしそのコストが厳しくなれば差替え頻度が低下します。結果、最新情報を常に把握することが難しくなってしまうわけです。
 これをXMLデータベースによるネットワーク型情報配信システムに置換するとどうなるでしょう。データベース上のコンテンツを更新し、即時配信する。このコストだけで、情報利用者が必要に応じて最新情報を自ら入手することができます。
 また「即時性はWeb、一覧性は印刷」というメディア特性を印刷業が理解していれば、印刷がゼロになることもありません。データベースを軸として、顧客の目的に応じたメディアを提案すること、気付いていない顧客に対して不可欠な印刷業としての役割なのです。
 そしてオンデマンド印刷へのニーズも重要な入口となります。顧客のビジネス構造はOne to Oneへ向かっています。エンドユーザー1人1人に個別対応し、ビジネス接点を深めること、これはどの企業においても命題となっています。それに対してオンデマンド印刷機を導入することだけが、印刷業としての回答ではありません。
 1人1人への対応を行うため、コンテンツを体系立ててデータベース整理し、各々に必要な情報を配信でき、しかも受け手が得られた情報をわかりやすく利用できること、この仕組み作りがオンデマンドビジネスに対応する印刷会社に不可欠な条件であり、XML技術がそれを支えるものとなります。
 つまりビジネスが不透明な社会の中で、新たなビジネス開拓につながる要素が、これら各SOSの言葉につながってきます。
顧客はビジネス支援者を求めています。その最良の位置にいるのが印刷業です。XMLをキーコンセプトとして、情報編集業としての新たなビジネスを顧客と共に生み出し、社会構造を変化させ、貴社も企業発展を目指していきませんか。

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